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スノーホワイト(映画)

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今回の記事は『スノーホワイト』(2012年、監督:ルパート・サンダーズ)です。
有名なグリム童話“白雪姫”を、戦うヒロインの物語として大胆にアレンジしたファンタジー・アクション大作。
剣を手にした戦うヒロイン“スノーホワイト”にクリステン・スチュワート、美しくも邪悪な魔女“ラヴェンナ”にシャーリーズ・セロン、原題だけ見ればスノーホワイトに次ぐ主役扱いだぜ!な猟師役にクリス・ヘムズワースを起用したダークファンタジー。

■内容紹介 ※Movie Walkerより引用 Link
スノーホワイト(クリステン・スチュワート)は、マグナス王と王妃に大切に育てられた外見も心も美しいプリンセス。
しかし、母亡きあと、新しい王妃に迎えられたラヴェンナ(シャーリーズ・セロン)に父王を殺されたスノーホワイトは、国を乗っ取られ、7年間の幽閉生活を送ることになる。
一方、女王ラヴェンナは魔法の鏡にいつも問いかけていた。
「鏡よ、鏡。この世でいちばん美しいのは誰?」
「もちろん女王様です」
しかしある日、鏡はこう言った。
「この世でいちばん美しいのは女王様ですが、やがてあなたよりも美しい娘が現れます。その時、娘の心臓を食べれば、あなたは永遠の美と若さを手に入れ、不死身となるでしょう」
その娘が自分の継娘スノーホワイトと知った女王は、彼女を殺そうとするが、闇の森へ逃げられてしまう。
女王は森に詳しいハンターのエリック(クリス・ヘムズワース)を雇い、刺客として解き放つ。

“おとぎ話”は終わった。今、新たなる「白雪姫」伝説がはじまる!

この夏、世界は、初めて出会う。
戦う白雪姫と――。

スノーホワイト

スノーホワイト

スノーホワイト

スノーホワイト
■感想
よくよく考えてみると、白雪姫ってどういう物語なのかということ、厳密には知らないな。
もちろん白雪姫が毒リンゴを食べて眠りにつき、王子様のキスで目覚めるというあらすじは知っている。けどそんな数文字で語れる物語っていうわけでもないでしょう。
そんなこんなでオリジナルの物語がどういう感じなのかはよくは知らないのだけれど、この映画がオリジナルから大きくアレンジされているということだけは分かった。こんな話じゃないはずだ、白雪姫って…。

さて、映画の方は、妥当にアクション・ファンタジー作として仕上げられていて決して悪くはない出来上がり。
ただしあくまで妥当の域を越えてなく、盛り上がりどころがそれといってなかった。アクションファンタジーなのだけれど胸躍る感じがなかったため、物足りない感じが強い。

最近は戦うヒロイン像というのが人気らしく、白雪姫(スノーホワイト)も先陣をきって戦っちゃいます。
かつ、海外だと定番古典童話の現代風アレンジも人気らしく、けっこう繰り返し行われていますね。今作もその例にもれない作品。

(脱線話題につきカッコ書き。
アマンダ・サイフリッド(セイフライドと表記されることが多いですが、発音に準じた日本語表記はサイフリッドとのこと。参考:wikipedia)主演で、グリム童話の「赤ずきん」を大人向け恋愛ミステリーに仕立てた『赤ずきん』(2011年)、主演はリリー・コリンズ、女王様はジュリア・ロバーツが演じた、コミカルテイストの「白雪姫」、『白雪姫と鏡の女王』(2012年)、などなど。
「ふしぎの国のアリス」のアレンジも人気ですね。
日本だとあまりないな。日本昔ばなしの実写版って聞いたことない。「桃太郎」とか「金太郎」とか、下手に実写化するとコントになりそうだ。それを思うと本格SFと日本昔ばなし(厳密には日本神話から戦国時代までの大河時代劇)を融合させた筋書きの手塚治虫の『火の鳥』ってとんでもない作品なのだなぁと改めて思う。)

今作でヒロイン、スノーホワイトを演じているクリステン・スチュワートは「トワイライト」シリーズにて活躍する女優さんとのこと。来歴を遡ると実は『パニック・ルーム』の子役だった子らしく、自分としてはそちらの方が驚き。

7人の小人や王子様の役どころが、原作とは大きく変えられていて面白い。
小人たちは世知辛い世の中を体験してすっかり卑屈になっていたり、ちょっとあんまりな端役に追いやられている王子様は涙目です。

ちなみにヘムズワースが演じている猟師(原題が「SNOW WHITE AND THE HUNTSMAN」(白雪姫と猟師)なので、スノーホワイトに次ぐ主役クラスの登場人物)って原作にもいるのだろうか? どうもオリジナルキャラっぽい気はするけど。
ソー(『マイティ・ソー』や『アベンジャーズ』)を見て以来、ヘムズワースのちょっと控えめな俺様キャラがけっこう気に入っていて、今作の役柄も似合っているのではと思う。

シャーリーズ・セロンが演じている魔女・ラヴェンナ女王はさすがの迫力。一人だけ存在感が抜きん出ていました。
生気を吸って若々しい姿も、本来の年老いた姿が全面に出てくるシーンも、凍るような冷たい目と、どことなく感じる悲しげな雰囲気に不思議なほど魅せられてしまう。さすがベテランの大女優。

一部のシーンがかなり『もののけ姫』過ぎて可笑しくなってしまう。
この監督さん、絶対『もののけ姫』をリスペクトしてますよね。こだまっぽいのや、祟り神っぽいのや、シシ神様っぽいのまで登場します。似せているというよりも、案外にそのまんまだった。
実はこの辺りのシーン、『アリス・イン・ワンダーランド』の背景にも少しばかり似ている気もして、相当にカオス。このポスターとかもうアリスを使い回しリスペクトしているのだとしか思えない。
小人たちやクリーチャーが『ロード・オブ・ザ・リング』っぽいという意見もあり…。
この監督さんの自由度の高さ、恐るべし。

■登場人物ちょいメモ
スノーホワイト(クリステン・スチュワート)
…ヒロイン。白雪姫。傷を癒す不思議な力を持っているが、作中では小人たちを平伏させる以外には役に立っていない。
7年間も幽閉されてたり、シャーリーズ・セロンが凄すぎて役柄的にも霞んでしまっていたりと、少し憐れな娘。最後にはその鬱憤を晴らすかのように先陣を切って戦うヒロインへと化します。

ラヴェンナ女王(シャーリーズ・セロン)
…永遠の若さと力を求める邪悪な魔女。若々しく見えるが長い時を生き続けている。
作中断トツの存在感。当作の画像を探すとほとんどがシャーリーズ・セロンという無双ぶり。

猟師エリック(クリス・ヘムズワース)
…森へ逃げたスノーホワイトを暗殺するためラヴェンナ女王に雇われた猟師。
ヘムズワース安心の俺様キャラ。最初悪い人風なのも微笑ましい。

ウィリアム王子(サム・クラフリン)
…ハモンド公爵の一人息子。スノーホワイトの幼なじみ。
原作における王子様の役柄のはずなのに、その扱いたるや…。幼なじみ+王子様効果という超強力な設定もほぼ機能せず。もはや涙目…。

フィン(サム・スプルエル)
…ラヴェンナの弟。スノーホワイトを逃してしまい執拗に追う。
作中のあのシーンでは嘘つきゃいいのにと誰しもが思ったはず。もしかして根は素直?

ハモンド公爵(ヴィンセント・リーガン)
…マグナス王の家臣、王国内の一領主。
ラヴェンナによるクーデター以後は領地に壁を築き、逃げ延びた民衆を保護している人格者。

マグナス王(ノア・ハントリー)
…スノーホワイトの父。前王。偉大な王として民に慕われていた。

王妃エレノア(リバティー・ロス)
…スノーホワイトの母。序盤(雪に滴った血痕に娘に対する願いを祈るシーン)における怪しさ抜群。

鏡男(クリストファー・オービ)
…魔法の鏡。なぜか擬人化。原作でも喋るけど、この作品では姿形が人型。ぶっとびアレンジ。

7人の小人たち(イアン・マクシェーン、ほか)
…まさかの盗賊。現代を生きるのって世知辛いものだ。

■予告編


映画データ 題名 スノーホワイト 製作年/製作国 2012年/アメリカ ジャンル アクション/アドベンチャー/ファンタジー 監督 ルパート・サンダーズ 出演者 クリステン・スチュワート
シャーリーズ・セロン
クリス・ヘムズワース
サム・クラフリン
イアン・マクシェーン
ボブ・ホスキンス
レイ・ウィンストン
ニック・フロスト
トビー・ジョーンズ、他 メモ・特記 白雪姫の現代風アレンジ。
ダークファンタジー+アクション+叙事詩風 おすすめ度★★★☆(★は最高で5つです。★:1pt, ☆:0.5pt)

■Link
+⇒公式HP(Japanese)
(※snowwhite-movie.jpドメインは無関係なサイトっぽいので、上記が一応日本版公式扱いだろうか?)

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